——もしかして、と思ったことが、ありますか?
福祉の仕事をしていた頃、こうした「気のせいかもしれない」段階の家族からの相談を、何度も受けました。
電話の向こうで、声を落として、「大したことじゃないかもしれないんですけど」と前置きしながら、話し始める人が多くいらっしゃいました。
その「大したことじゃないかもしれない」が、いちばん大事な感覚だと、今でも思います。
認知症かもしれない、でもそうであって欲しくない。という気持ちは必ずあります。
認知症の初期は、まだらに見える
認知症の初期は、全部を忘れるわけではありません。さっきの会話は忘れていても、子どもの頃のことは鮮明に覚えていたりします。
「しっかりしているときがある」から、家族も「気のせいかな」と思いやすいのです。
家族として身近な存在だから、もしかして…と思うときに動揺してしまい、つい怒ってしまうこともあります。
そのような場面が繰り返されると、ご本人も何に怒られているのかわからないまま、嫌な気持ちだけが大きく心に響いてしまうということもあります。
一人で抱えなくていい
そのような状況を一人で抱えなくていい、と思います。
もしかして、と思った段階で、誰かに話してみる。
それだけで、ずいぶん荷物が軽くなります。
話す相手は、専門家でも、家族でも、友達でも、誰でもいいのです。
ただ、もし「専門の人にも一度、聞いてみようかな」と思えたら、相談できる場所はあります。
相談できる場所
すでに地域包括支援センターやデイサービスなどを利用している方は、そちらに相談してみるのが良いと思います。
定期的に病院にかかられている方は通院に同行して日常のもしかしてを主治医にお話してみてはどうでしょうか?
まったく介護や福祉関係に触れていない方は、相談場所が浮かばないかもしれません。
そういった時には、その方が困っていることなどがあれば(例えば、財布をよく無くすのよとか年だからなかなかお話する機会が無くて言葉が出てきづらいのよなど)ニーズに答えるかたちで、「こんなことをお住まいの市でやってくれるんだねー」など少しずつ話題にしてみてはいかがでしょう?
少しずつ受け入れてくださるかもしれません。
受け入れてもらえないとき
それでも受け入れてもらえないこともあります。
あなたが「気になっている」という気持ちは、間違っていません。動けるときが来たら、また誰かに話してみてください。
家族ではない第三者の目で見てもらうと、より判断しやすい場合があります。