「これくらい、家族でやれる」
「いまさら、他人に入ってもらわなくても」
「お金もかかるし、面倒そうだし」
その感覚は、自然なものです。
実際、日常の暮らしは、家族の助け合いで回っていきます。通帳を預かったり、買い物に付き添ったり、病院に連れて行ったり。そうやって、しばらくは続けられます。
ただ、家族でやろうとして、急にできなくなる場面が出てきます。銀行で、不動産で、相続で。(施設の契約は、施設ごとに異なります。)「家族だから」が通用しない場面が、突然やってきます。
このページは、そういう「行き詰まり」の前に知っておくと、動きやすいことを整理したものです。
成年後見という制度の話も出てきますが、「いま使ってください」というお話ではありません。「こういう仕組みもあります」という、地図のようなものです。
家族でやれるうちは、家族で
親や配偶者の判断能力がまだしっかりしているうちは、家族が事実上の支えになっていることが多いです。
- 通帳と印鑑を、家族が預かっている
- 家族が代わりに引き出しに行く
- 公共料金や固定資産税を払う
- 介護サービスの契約に、家族が一緒に署名する
- 施設の身元保証人を、家族が引き受ける
これは「家族としての自然な助け合い」の範囲です。
世の中の福祉サイトでは「判断能力が落ちたら成年後見」と書かれていることが多いですが、現実には、家族でやれるうちは家族でやっています。そして、そのほうがご本人にとっても、温かい時間が続きます。
でも、家族では進まなくなる場面があります
家族でやろうとしても、ある場面では、急に止まってしまうことがあります。
不動産を売りたいけれど、売れない
これは、家族介護者がいちばんよく直面する壁です。
親が認知症になって、施設に入ることになった。もう自宅には戻らない。空き家のまま、固定資産税だけが毎年かかる。施設の費用は重く、家を売って当てたい。
でも、不動産を売るには、本人の意思確認が必要です。司法書士が本人と面談して、「ご自分の家を売ることを理解していますか」と確認する。その質問に答えられなくなった本人は、売主にはなれません。
家を相続するのは、本人が亡くなってから。でも、その前に、お金は必要になっている——この行き詰まりは、多くの家族が経験しています。
銀行口座が止まる
認知症が進んで、本人がATMの操作ができなくなる。家族が代わりに引き出そうとしたら、銀行で「本人確認」を求められる。家族が「親が認知症で」と説明すると、銀行が口座を凍結する。
銀行は、本人保護のために動きます。家族が引き出していることが「本人の意思によるもの」と確認できなくなった瞬間、家族には引き出させなくなります。
相続が絡む
親が認知症になっているうちに、別の親族(配偶者など)が亡くなる。親が相続人の一人になっているけれど、遺産分割協議に参加できない。「親の判断能力がないので、成年後見人を立ててから協議してください」と言われる。
これは、家族の側からすると思いがけない場面で出てきます。「お母さんが認知症だから、お父さんが亡くなったあとの相続が止まる」という現実は、知らない方が多いです。
訴訟や保険金請求
親が交通事故に遭った。親が訪問販売で高額な契約をしてしまった。保険金を請求する必要がある。
法的な手続きは、本人の代理人(成年後見人)でないと進められないことがあります。
家族のあいだで意見が割れたとき
家族の中で「親の財産の使い方」について意見が違う。「あの人が勝手に親の通帳を持っている」という不信感。親の財産が、誰のものか曖昧になっている。
こういうときに、第三者の目が入ると、家族関係が落ち着くことがあります。
でも、成年後見は「いつでも便利な道具」ではありません
ここまで読んで、「じゃあ成年後見を使えば解決するんだ」と思われるかもしれません。
ただ、成年後見の仕組みには、家族にとっての「重さ」もあります。これは、世の中のサイトではあまり書かれていないところです。
一度始まると、原則として本人が亡くなるまで続きます
「いまだけお願い」とか、「家が売れたら終わり」とは、原則できません。
判断能力が回復した場合や、家庭裁判所が認めた特別な事情がある場合を除いて、本人が亡くなるまで、後見人との関係が続きます。
親の財産は、親自身のためにしか使えなくなります
成年後見人には、「本人の利益のために動く」義務があります。そのため、これまで自然にできていたことが、できなくなります。
- 生前贈与(暦年贈与など、相続税対策で渡してきたお金)
- 孫への入学祝い、結婚祝い、お年玉
- 子の住宅資金援助
- 家族の生活費に、親の財産を回していたケース
これらは「本人の財産を減らす行為」と判断されて、原則できなくなります。
家族としては、「親の財産を、家族のために使う」が、自然な営みだったかもしれません。でも、成年後見が始まると、その自由は止まります。
家族の自由が制限されます
専門職が後見人になると、家庭裁判所への定期報告があります。本人の財産の使い方は、家族の判断ではなく、後見人の判断で進みます。
「ちょっと孫の入学祝いに」「家族の集まりの費用に」と気軽に使っていたお金が、すべて記録の対象になります。
費用がかかります
費用については、後ほど別のセクションで詳しくご説明します。一度始まると、長期にわたって費用がかかる、という点だけ、ここで知っておいてください。
成年後見の前に、考えられる選択肢
「家族では進まなくなる場面」がやってきても、いきなり成年後見を始めなくても、別の選択肢があります。
1. 軽度認知症の段階で、できることをしておく
認知症が進んでいない段階、または軽度のうちなら、本人の意思能力が認められれば、契約や贈与は可能です。
「もうすぐ難しくなりそう」と感じたら、いまのうちに動く選択肢があります。
- 医師の診断書で「判断能力あり」と記録してもらう
- 司法書士や公証人に関わってもらって、契約書を作成する
- 後でトラブルにならないよう、証拠を残しておく
ただし、慎重に進める必要があります。専門家への相談がおすすめです。
2. 任意後見契約
本人の判断能力がしっかりしているうちに、「将来判断能力が落ちたら、この人に後見人になってもらう」と契約しておく仕組み。
公証役場で契約を結びます。本人の希望を反映できるので、法定後見より自由度が高いです。
3. 家族信託(民事信託)
家族の中で「親の財産を、子が管理する」契約を、生前に結んでおく仕組みです。
- 託す人(親)、託される人(子など)、受益者(多くは親本人)の3者で結ぶ
- 司法書士などの専門家に相談しながら、信託契約書を作成
- 公証役場で公正証書にしたうえで、銀行口座の開設や不動産の信託登記を進める
公証役場は、契約書を正式な書類にしてくれる公的な役所です(市役所や区役所とは別の建物で、各都道府県に複数あります)。家族信託の契約書を、公証人にチェックしてもらい、「公正証書」という正式な書類として残します。公証人は、元裁判官や元弁護士など、長年法律に携わってきた専門家で、中立な立場で契約書を確認してくれます。これによって、契約の信頼性が高まり、銀行や法務局での手続きもスムーズになります。
成年後見と違って:
- 本人の判断能力があるうちにしか契約できない(認知症が進んでからでは間に合わない)
- 不動産の売却なども、契約の範囲で家族が進められる
- 介護や医療の意思決定(身上保護)はできない(財産管理のみ)
費用は、専門家への報酬と実費で、現金のみ20〜40万円/不動産を含む場合は1.5〜2%程度かかります(信託する財産の規模によります)。成年後見と違って、最初にまとまった費用がかかる仕組みです。
「親が元気なうちに、財産のことを整えておきたい」という方が、検討する選択肢です。詳しくは、お住まいの地域の司法書士に相談していただくのがおすすめです。
家族信託には、成年後見と組み合わせて使う選び方や、契約の細かい設計など、お伝えしたいことが多くあります。このページに全部を盛り込むと、かえってわかりづらくなってしまうため、家族信託については、「詳しくは『家族信託を考えるとき』をご覧ください」
4. 日常生活自立支援事業(社協)
判断能力に不安があっても、契約を理解できる方向け。社協がお金の管理や通帳の保管をサポートしてくれます。
成年後見ほど重くなく、生活レベルの財産管理に向いています。
詳しくは「相談先を探す:社会福祉協議会」をご覧ください。
5. 家族の話し合いを書面に
成年後見を使う前に、家族の中で「親の財産を、誰がどう管理するか」を話し合って、書面に残しておく。
- 通帳の保管場所
- 支払いの担当
- 重要な判断のときの相談ルール
- 親の希望(施設の選び方、終末期のことなど)
これだけでも、家族間のトラブルはかなり減ります。
成年後見が必要になったとき:何を頼みたいかで、向いている専門家が違う
ここからは、いざ成年後見を使うことになったときの話です。
成年後見人になれる専門家は、主に3つあります。弁護士・司法書士・社会福祉士。
「どの専門家がいいですか?」というのは、家庭裁判所が選んでくれるわけではありません。申立てる家族の側で、考えておく必要があります。
そして、選ぶときの基準は、シンプルです。
何を、いちばん頼みたいか
ご家庭の状況によって、向いている専門家は変わります。よくあるパターンを、いくつかご紹介します。
パターン1:財産がそれほど多くなく、施設入所が当面の課題
- お住まいの家、年金、数百万円〜1000万円程度の預貯金
- 家族が忙しく、頻繁には親に関われない
- 当面の課題は、施設探し、入所手続き、入所後の見守り
→ 社会福祉士が候補として向きやすい状況です。
施設や介護サービスのネットワークを持っていて、生活全体を見てくれます。福祉現場の経験があるので、施設選びや介護サービスの調整も、流れで動けます。報酬の面でも、比較的依頼しやすい範囲です。
パターン2:不動産が複数あり、相続も複雑そう
- 自宅以外にも、土地や賃貸物件がある
- 親族が多く、相続でもめる可能性がある
- 過去に悪質な業者との契約トラブルがある
→ 弁護士が向きやすい状況です。
法的なトラブル対応や、複雑な財産管理に強みがあります。訴訟になりそうな場面でも、対応できます。
パターン3:財産整理が中心で、生活面は家族で対応できる
- 不動産の登記関連の手続きが必要
- 家族や施設のサポートで、日常生活は回っている
- 主な課題は、財産の管理と整理
→ 司法書士が向きやすい状況です。
登記や財産整理の専門性があります。報酬は弁護士より抑えめなことが多いです。
家族のなかで引き受ける(親族後見)という選択もあります
専門職に頼むだけでなく、家族のなかで成年後見人を引き受けることもできます。
近年、家庭裁判所は親族後見の選任を増やそうとしています(専門職後見が長期化して、本人の財産が報酬で減ることへの反省から)。
親族後見が向く状況:
- 家族の中に、引き受けられる方がいる
- 財産が極端に複雑ではない
- 家族間で意見が割れていない
ただし、引き受ける家族には、家庭裁判所への定期報告などの負担が発生します。詳しくは、お住まいの地域の家庭裁判所、または社会福祉士会・弁護士会などにご相談ください。
後見人は、一人とは限りません
ここも、世の中であまり知られていない大事な点です。
「後見人は一人」と思っていらっしゃる方が多いのですが、複数の後見人を立てることができます(共同後見)。
役割分担ができます
たとえば:
- 弁護士が、財産管理を担当
- 社会福祉士が、身上保護(介護・医療・施設の調整)を担当
このように、役割を分けて、複数の専門家が共同で本人を支える形を取れます。
途中で追加・交代もできます
最初は弁護士一人で始まったけれど、本人の認知症が進んで、生活面の支援が増えてきた——そんなとき、家庭裁判所に申立てれば、社会福祉士を追加で選任してもらえます。
逆に、最初は家族(親族)が後見人だったけれど、財産の問題が複雑になって対応しきれなくなった——そんなときは、専門職を追加することもできます。
「お願いした弁護士さんに、いまさら言いにくい」と思わなくて大丈夫です。状況が変わったら、後見人の体制も、家庭裁判所への申立てで変えられます。
後見人の費用について
成年後見の費用は、申立てる前から確定しているものではありません。段階ごとに、別々に発生します。
1. 申立て段階の費用(申立て時に発生)
- 申立て手数料、書類取得費、診断書代など:実費で2万円程度
- 鑑定が必要な場合(全体の3〜4%程度):1〜10万円程度
- 申立て手続きを専門家(司法書士・弁護士)に依頼する場合:10〜30万円程度
2. 後見が始まってからの費用(後見人への報酬)
ここが、一般的なイメージと違うところです。
月いくら、と最初から決まっているわけではありません。
仕組みはこうです:
- 後見人が、家庭裁判所に「報酬付与の申立て」を行う
- 通常、1年に1回ほどの頻度で申立てる
- 家庭裁判所が、本人の経済状況・後見業務の内容・地域差などを総合的に判断して、報酬額を審判で決める
- その審判に基づいて、後見人が本人の財産から報酬を受け取る
つまり、後見人を引き受けるとき、「月いくら」とは決まっていません。1年後の申立てで、初めて報酬が決まります。
報酬額は、本人の財産規模や後見業務の内容によって異なります。
3. 親族後見の場合
ご家族が後見人になった場合、報酬付与の申立てをしないことも多くあります。その場合、報酬は発生しません。
ただし、申立てをすれば、ご家族でも報酬を受け取れます。「家族だから無報酬」と決まっているわけではありません。
4. 費用負担が難しいときの支援
ご本人の収入や資産が少ない場合、申立てや報酬の費用を、自治体が助成してくれる仕組みがあります。
成年後見制度利用支援事業
各市区町村が実施している事業で、
- 申立て費用(手数料、診断書代、鑑定費用など)
- 後見人等への報酬
の助成があります。
対象は、主に生活保護受給者です。自治体によっては、生活保護に準ずる方(住民税非課税世帯、預貯金が一定額以下など)も対象に含めています。
お住まいの市区町村の高齢者福祉担当課、または地域包括支援センター・社会福祉協議会で、対象になるかご相談ください。
ただし、生活保護受給ではないけれど、年金収入のみで財産がわずか、というご家庭が、助成の対象外になることもあります。ご家庭の経済状況を踏まえて、利用できる仕組みがあるかどうか、地域包括や社協で一緒に確認していただくのがおすすめです。
5. 期間について
成年後見は、一度始まると、原則として本人が亡くなるまで続きます。途中で「やっぱりやめます」とは、原則できません。家族にとっては、長期にわたる費用と関係になります。
どこに相談すればいい?
成年後見の相談先は、段階によって変わります。
まず話を聞いてもらう段階
「うちの家族に成年後見が必要なのか、まだわからない」「制度のことから知りたい」という段階。
- 地域包括支援センター:高齢の方の総合相談窓口。成年後見以外の支援も含めて、状況を整理してくれます
- 社会福祉協議会(社協):成年後見の前に使える「日常生活自立支援事業」もここが窓口
- 成年後見の相談をまとめる窓口:地域によっては、成年後見について相談できる専門の窓口が設けられています(「成年後見センター」「権利擁護センター」など、地域によって名前が違います。社協が兼ねていることもあります)。お住まいの市区町村にあるかは、地域包括や社協で尋ねてみてください
詳しくは「相談先を探す:地域包括支援センター」「相談先を探す:社会福祉協議会」をご覧ください。
専門家を探す段階
「成年後見を使うことにした、誰に頼むかを決めたい」という段階。
- 社会福祉士会(ぱあとなあ):お住まいの都道府県の社会福祉士会に問い合わせ
- 弁護士会:お住まいの都道府県の弁護士会、または法テラス
- 司法書士会(リーガルサポート):成年後見に特化した司法書士の組織
申立てを進める段階
家庭裁判所への申立てを進める段階。
- 家庭裁判所:お住まいの地域を管轄する家庭裁判所。手続案内(無料)があり、申立て書式も窓口で受け取れます
後見人を「この方にお願いしたい」と候補者を立てる場合は、申立て前にご自身でその方を探して、依頼の合意を得ておく必要があります。候補者を立てずに「家庭裁判所にお任せします」で申立てることもできます。
申立てを自分で行うのが難しい場合は、司法書士や弁護士に申立て手続きを依頼することもできます(費用:10〜30万円程度)。
相談先の人たち
成年後見に関わる人たちは、本人と長期にわたって付き合います。ここで、現場で関わってきた専門職の風景を、ひとつご紹介します。
「家賃滞納」から、看取りまで
ある社会福祉士が、後見人を引き受けた方のお話です。
入り口は、大家さんが「家賃を払えていない」と気づいたことでした。社協に相談が入り、本人と関わるなかで、認知症の進行が見えてきました。家族との関係も薄く、一人で生活を続けるのが難しい状況。社協から成年後見の手続きに進み、その社会福祉士が後見人として選任されました。
そこから、介護保険の認定、ヘルパーの利用、認知症グループホームへの入所、そして看取りまで——その方の生活の最後の章を、ずっと伴走しました。
成年後見人の関わり方は、ケースによって、本当にさまざまです。「制度の中の決まりごと」だけでは見えない、人と人との関係が、そこに流れています。
この話は、いずれご自身のことにもつながります
ここまで読んでくださった方は、いま、ご家族のために成年後見を考えていらっしゃるかもしれません。
ただ、成年後見は、人生のなかで何度か向き合うことになるテーマです。
ご家族の認知症や障害で考えるとき、まずは「親や配偶者のために」という気持ちで動きます。そのあと、何年か経つと、今度はご自身や配偶者のために、同じ仕組みを考える日が来ることがあります。
判断能力がしっかりしているうちにできること、判断能力が落ちてから動く道——どちらも、選び方は人それぞれです。
ご家族のことを通じて、成年後見の仕組みを知っておくと、いずれ、ご自身のことを考えるときの土台になります。
判断能力がしっかりしているうちに考えておくと、選択肢が広がります:
- 任意後見契約:信頼できる人と「将来、判断能力が落ちたら、この人に頼みます」と契約しておく
- 家族信託:財産の管理を、信頼できる家族に託す契約をしておく
- エンディングノート:成年後見のような法的な契約ではないけれど、自分の希望を家族に伝える書面
- 家族との話し合い:財産のこと、施設のこと、終末期のことを、判断能力があるうちに家族で共有しておく
ご家族のことが少し落ち着いたら、ご自身や配偶者のことも、ゆっくり考えてみていただきたいと思います。
電話する前に
成年後見について相談するときは、最初に話したいことを少しだけ整理しておくと、話がスムーズに進みます。
- ご相談したいのは、どなたのことか(本人との関係)
- 本人の現在の状況(認知症の有無、判断能力、生活の状態)
- 何に困っているか、何を進めたいか(銀行・不動産・施設の契約など)
- 本人の財産のおおよその状況(細かい金額でなくて大丈夫です)
- ご家族の状況(同居か別居か、他の親族との関係)
これらを伝えると、相手の方も「どこから話を始めるか」がわかります。
時期はご都合に合わせていただいて大丈夫です。窓口によっては、数回のやりとりが必要な場合もあります。
メモを
成年後見の相談は、専門用語が多くなりがちです。メモを取りながら聞くことをおすすめします。
- 相談した日、相手の名前
- 言われたこと、説明された制度
- 次にやることとして勧められたこと
- 次の連絡先、次のアポイントの日時
「家庭裁判所」「公証役場」「ぱあとなあ」など、出てきた言葉も、知らないものはメモして、あとで調べる材料にできます。
よくある不安
Q. お金がいくらかかるか、わからなくて不安です
最初に発生するのは、申立ての費用(2万円程度〜)です。後見が始まったあとの報酬は、家庭裁判所に申立てて決まる仕組みなので、最初には確定していません。
報酬額は、本人の財産規模や後見業務の内容によって異なります。ご本人の収入や資産が少ない場合、自治体の「成年後見制度利用支援事業」で助成が受けられる場合があります(主に生活保護受給者向け)。詳しくは、お住まいの地域包括支援センター・社会福祉協議会にご相談ください。
Q. 弁護士さんに頼んだら、もう生活のことは話せないのですか
そんなことはありません。
途中で「生活面の支援も必要になってきた」と感じたら、家庭裁判所に申立てて、社会福祉士などを追加で選任してもらえます(共同後見)。
最初に決めた体制が、ずっと続くわけではありません。状況の変化に応じて、柔軟に変えられます。
Q. 親族の誰かを後見人にできますか
できます。
家庭裁判所に「親族の○○さんを候補者にしたい」と申立てれば、検討してもらえます。近年は、親族後見人の選任を増やそうという流れもあります。
ただし、家族間で意見が割れている、財産が複雑などの事情があると、家庭裁判所が専門職を選任することもあります。
Q. 家庭裁判所まで行かないといけないですか
申立てのときは、家庭裁判所に行く(または郵送で申立て)が基本です。
ただし、申立ての手続きを司法書士・弁護士に依頼すれば、書類作成や提出を代行してもらえます。
家庭裁判所には「手続案内」というサービスがあり、無料で申立て方法について教えてもらえます。お電話で問い合わせもできます。
Q. プライバシーは守られますか
家庭裁判所、社協、地域包括、各専門職には、すべて守秘義務があります。ご相談の内容が、無断で他に伝わることはありません。
Q. 一度始めたら、もう止められないのですか
原則として、本人が亡くなるまで続きます。
ただし、本人の判断能力が回復した場合や、家庭裁判所が認めた特別な事情がある場合には、終了することもあります。
「いつかはやめられる」前提では考えず、「長く付き合う制度」と理解しておくのが安全です。
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成年後見は、家族にとって重い選択です。でも、知っておけば、必要になったときに動きやすくなります。
このページが、ご家族について考える時間の、土台になれば幸いです。
時期はご都合に合わせていただいて大丈夫です。窓口によっては、数回のやりとりが必要な場合もあります。